TRACK DESIGN INDIA PRIVATE LIMITED 様
ものづくりの成長を支える、確かな基盤。神鋼商事が選んだチェンナイとオリジンズ
今回は、神鋼商事と韓国側パートナーとのジョイントベンチャーであるTRACK DESIGN INDIA PRIVATE LIMITEDの作田 圭司 General Managerに、インド進出の背景、チェンナイおよびオリジンズ・チェンナイ工業団地を選んだ理由、現在の操業状況と今後の展望について話を聞きました。
TRACK DESIGN INDIA PRIVATE LIMITED

神鋼商事株式会社とDaechang Forging Co LtdのJoint Ventureとして 2021年に設立。建設機械向け足回り部品(トラックチェーン)を製造。神鋼商事株式会社は、神戸製鋼グループの中核商社機能を担う企業で、鉄鋼・機械・素材など幅広い分野で国内外の販売・調達・事業投資を手掛ける。Daechang Forging Co Ltdは、韓国・金海市(Gimhae)を拠点とする鍛造・建機足回り部品メーカー
で、トラックチェーン、ローラー、アイドラー、スプロケットなどをグローバル市場へ供給。
作田 圭司General Manager
TRACK DESIGN INDIA PRIVATE LIMITEDの工場運営全般を統括し、インドにおける生産体制のゼロからの立ち上げを主導。以降も設備増強・体制強化を重ね、事業の拡大フェーズを継続的に牽引している。
テーマ1:インド・チェンナイへの進出経緯
インド進出を検討するようになった背景について教えてください。
当社はもともと、韓国メーカーが製造する建設機械向け部品を日本へ輸入・販売する事業を展開していました。その韓国メーカーが市場で高いシェアを持つ中、インドの顧客から「韓国から輸入するのではなく、インドで生産できないか」という要望を受けたことが、進出検討のきっかけでした。
また、建設機械業界では、インド市場が将来の成長市場として注目されており、韓国側のパートナーにもインド進出の意向がありました。こうした背景から、韓国のパートナーとのジョイントベンチャーとしてTrack Design Indiaを設立しました。神鋼商事はすでにインド拠点を有していましたが、本件は別プロジェクトとして立ち上げた事業です。
拠点選定にあたり、人材、サプライチェーン、輸出入環境、インフラなど、特に重視されたポイントを教えてください。
最も重要だったのは、顧客の所在地です。当時、神鋼商事側の主要顧客はスリシティ周辺、パートナー側の主要顧客はプネ周辺に所在していたため、候補地はチェンナイとプネの二つに絞られました。
比較の結果、輸出入の利便性、人材確保のしやすさ、物流インフラなどを総合的に評価し、チェンナイを選択しました。プネも有力な候補でしたが、日本/韓国からの出張者には国内線への乗り継ぎが必要となることや、駐在環境の面で負担が大きいと感じました。その点、チェンナイにはアクセス面での優位性がありました。
他地域と比較する中で、チェンナイをどのように評価され、最終的な決め手は何だったのでしょうか。
最終的な決め手の一つは、オリジンズ・チェンナイ工業団地の駐在員による説明でした。
立地やインフラだけでなく、将来性やサポート体制についても非常に分かりやすい説明があり、関係者全員が前向きに評価しました。
テーマ2:オリジンズ・チェンナイ工業団地について
オリジンズ・チェンナイ工業団地を初めて知ったきっかけを教えてください。
2019年にインド進出を検討した際、工業団地の調査を行いました。当時、韓国側のパートナーとチェンナイおよびプネを比較する中で、神鋼商事インド法人の現地スタッフにもリサーチを依頼していました。その過程でオリジンズ・チェンナイ工業団地の情報を入手し、実際に現地を視察しました。
オリジンズ・チェンナイ工業団地を訪問した際、どのような印象を持たれましたか。
率直に言えば、「オリジンズで良いのではないか」という印象でした。
スリシティやプネなど他の候補地を視察した後に訪問したこともあり、第一印象が非常に良かったことを覚えています。道路環境が整備され、土地造成も進んでいたことを高く評価しました。また、市内からのアクセスが比較的良く、出張者の利便性が高い点も魅力でした。
工業団地の選定で特に重視した条件は何でしたか。また、その観点からオリジンズ・チェンナイ工業団地をどのように評価されましたか。
特に重視したのは、出張者がアクセスしやすいこと、土地造成が完了していること、港に近いこと、そして将来的なインフラ拡張が期待できることでした。
輸出入を行う当社にとって、特に港へのアクセスは重要でした。また、将来的に日系企業の進出が増えれば、ユーティリティや商業施設などの周辺環境がさらに整備されるという説明も魅力的でした。現在は、食事環境の充実やレストランの増加にも期待しています。
テーマ3:現在の操業と今後の展望

現在の工場の操業状況について教えてください。インド市場での事業展開は想定どおりに進んでいますか。
現在、第一期に導入した製造ラインは、ほぼフル稼働の状態です。
来年度には、設備増強による増産を計画しており、韓国から新たな設備を導入する予定です。設備の導入から立ち上げまでは約10か月を見込んでおり、2027年下期から本格的な増産を開始したいと考えています。その次の段階として、現在の敷地内での建屋増設も検討しています。
顧客との商談を通じて、将来的な需要拡大がすでに見えており、現在の生産能力では対応しきれなくなる可能性があります。実際、インドの建設機械市場は拡大を続けており、主要顧客各社からの需要増加を実感しています。一方、韓国生産からインド生産への切り替えには顧客ごとの承認プロセスが必要なため、移管のスピードは当初の想定よりやや遅くなっています。
チェンナイでの生活はいかがでしょうか。滞在前のイメージと、実際に生活して感じた印象に違いはありましたか。
生活面では、食事など日本との違いに苦労することもあります。また、自分で自由に運転できないことや、通勤時間の長さなど、不便に感じる部分もあります。
ただ、3年半生活してみると、日本から戻ってきた際に「落ち着く場所」になっていることも事実です。特に北インドと比較すると治安面で安心感があり、身の危険を感じたことはほとんどありません。
今後のインド事業の展望について、差し支えない範囲でお聞かせください。
今後は設備投資と工場拡張を進めながら、生産能力を段階的に引き上げていく計画です。
すでに生産能力の不足が見え始めています。インドの建設機械市場の成長を確実に取り込むため、生産体制の強化を継続し引き続き拡大していく方針です。
テーマ4:インド・チェンナイ進出を検討する企業へのメッセージ
インド市場の中で、特にチェンナイはどのような産業の進出先として適しているとお考えですか。
チェンナイは「南アジアのデトロイト」と呼ばれるほど、自動車産業や製造業の集積が進んでいます。
そのため、製造業や輸出比率の高い企業には非常に適した立地だと思います。特に港が近いため、インド国内市場だけでなく、輸出も視野に入れている企業には大きなメリットがあります。一方、インド国内市場のみを対象とする場合は、プネなど他の地域も有力な選択肢になり得ます。事業モデルに応じて、最適な立地を選ぶことが重要だと思います。
今後実際に進出を経験された立場から、今後インド進出を検討する企業の皆様へ、チェンナイの魅力や可能性についてメッセージをお願いします。
チェンナイは気候が比較的穏やかで、治安も良く、駐在しやすい環境です。
また、優秀な人材を確保しやすく、南インドの人々は総じて穏やかで協力的だと感じています。工業団地も豊富で、ものづくりを行う企業にとって非常に魅力的な地域です。
個人的には、インドの企業や人材に、かつての日本企業が持っていたような一体感やチームワークを感じることがあります。平均年齢も若く、将来的なポテンシャルは非常に高いと思います。製造業としてインド進出を検討するのであれば、チェンナイは有力な選択肢の一つになるのではないでしょうか。
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